確実な健康法

世の中には最新医学や伝統医学、民間療法などありとあらゆる健康法があります。
現代では、人々の健康への関心は増え、それは毎日のように目にする健康誌や書籍、テレビ番組に如実に反映されています。

しかし、情報量が多すぎて、誰自分の症状に最も合う健康法はどれなのかかえってわからなくもなっています。

しかもそれらは日々更新され、新しい考え方やノウハウはあっという間に古いもの、時にはしてはならない方法にすらなります。

例えば、水を飲んだらバテるという考え方は今では全く真逆となり、積極的な水分補給が常識となっています。
これが一つの例でしょう。

栄養学的なものであれば卵はコレステロールが高く摂り過ぎは良くないと言われてきました。
しかし現在は卵をいくら食べてもコレステロール値は上がらないことがわかっています。
しかも、現在検査で出しているコレステロール値はそれ自体が病気のリスクファクターでないことまでわかっています。

この様に、どの健康法や知識も日々の研究によって目まぐるしくその有効性や安全性は変わっていきます。

それでは、絶対的な健康法などないのでしょうか?それが、あるのです。
それがわたしの言う運動、それも有酸素運動を定期的にすることなのです。
もっと簡単に言えば身体を動かすことです。

人は長い進化の歴史の中で、運動することで脳を発達させ、現在の形まで進化してきました。
脳だけでなく、骨も筋肉も腸も、全てです。

人類が今のヒトになって約200万年。それから身体の構造は全く変わっていません。
200万年前の人類と今のヒトの変わった点はなんでしょうか?
そのひとつが運動量なのです。
文明化によって、人々の運動量は激減したのです。

狩猟採集民だったわたしたちの祖先は、食料を見つけたり、獲物を穫るために毎日平均して8〜16Kmもの距離を移動していたそうです。
歩いたり走ったり時には跳んだりしてです。

そのような移動を可能にするため、ヒトの身体は、脂肪を燃焼させて大きなエネルギーを効率的に使えるようにし、長時間の移動を可能にしました。

また長距離移動に必要な大きな骨盤や呼吸器を収めるために、腸はコンパクトなかたちになりました。
骨盤は歩行に必要な回旋運動に、肺は移動時の効率的なガス交換に必要です。

ですから、私たちの腸は物理的にたくさんのエネルギーを蓄えることには適応していません。
しかし、その代わりほんの僅かな脂肪でも長時間の活動が可能な仕組みになっています。

心拍数が高くなる激しい運動をすると脂肪は燃焼できません。
ウォーキングなどの心拍が低めの軽い運動であれば、身体は脂肪をエネルギー源として活動するため、脂肪が燃焼されます。

そのため、ウォーキングや軽いジョギングであればかなり長時間の移動をし続けることができます。
マラソンは40Km以上の距離を走りますが、これは運動神経が優れている人だけができるではありません。

だれもがそのような機能を生まれたときから持っているのです。

マラソンをしていた人がマラソンをやめるとうつ病になりやすいことが分かっています。
これは長時間の有酸素運動によって脳の血流を促すことで脳をストレスから守っていたのに、走らなくなることで守る機構がなくなってしまったことが原因と考えられています。

現代は狩猟採集時代と違い、ストレス源が多いのに運動量が少ない生活となっています。
その結果としてストレスを溜めてしまい、うつ病やパニック障害などの精神疾患が増えています。

また、うつ病に対する治療には定期的な有酸素運動が治療に有効であることが多くの研究によってわかっています。

国によってはうつ病治療に投薬か運動療法を選択する場合もありますし、投薬の前に有酸素運動療法をさせるところもあります。

有酸素運動による症状改善はうつ病だけでなく、不安障害やADHDなど多くの精神疾患に対して有効であることが今も沢山の研究で明らかに
なってきています。

タイトルでは効果の出る健康法と書きましたが、本当は定期的な有酸素運動は健康維持に有効なのではなく、人がストレスと立ち向かい生きていくために必要な行動なのです。